地域包括ケアシステムの中心となる病院の役割

すべての人に健康と福祉を 人や国の不平等をなくそう 住み続けられる街づくりを 平和と公平をすべての人に

現在、国が推進する地域包括ケアシステム構築のために当院のこれまでの取組についてご紹介させていただきます。当院は「済生会川俣地域ケアセンター」として、病院、診療所、訪問看護ステーション、特別養護老人ホーム、介護老人保健施設、養護老人ホーム、居宅介護支援事業所、地域包括支援センター、訪問介護事業所などを展開することで地域の医療と福祉の中心となり、ボランティア団体、自治体などと連携を密にし、地域住民の安心と健康を守るために取り組んでいます。単に医療と福祉サービスを切れ目なく一体的に提供するだけでなく、地域のニーズ等に合致した多様な内容や方法によって、地域住民のつながりを再構築し、誰もが排除されることなく、地域住民の一員として暮らせるようなまちづくりに寄与することを目標に取り組んでいます。その活動の一部が下記の3つの事業です。

なでしこ健康講座

平成23年3月の東京電力福島第一原発事故により、飯舘村、川俣町山木屋地区の住民は、仮設住宅や借り上げ住宅での避難生活を余儀なくされていました。当センターでは、復興支援の一助となるべく、そういった仮設住宅に避難した方を対象に健康講座や健康相談会を開催してきました。平成29年3月31日に飯舘村、山木屋地区の避難指示が解除され、仮設住宅から同地区への帰還が進められた後から現在に至るまで、帰還者の方を対象に場所を変えて定期的に開催しています。その他、障がい者福祉施設においても健康講座及び健康相談を開催しています。

なでしこ健康講座

「山木屋茶屋」再開支援

平成29年3月31日の飯舘村、山木屋地区の避難指示解除後、帰還した住民の方からは、これまで心の支えであった住民同士の交流がなくなったことを嘆く声が聞かれ、地域の課題となっていることがわかりました。これらの課題に対し、済生会として仮設住宅で住民が主体となって活動していた「山木屋茶屋」の復活を支援することから始めようと動き出しました。
「山木屋茶屋」を再開するにあたり、一番の課題は『お互いの住まいに距離があり、集うことができないこと』であったため、済生会として送迎車を出すことで支援させて頂き、平成30年1月から「山木屋茶屋」が再スタートしました。新型コロナウイルス感染拡大後は、iPadを利用し、オンラインで交流してもらうなど形を変えて開催しています。

「山木屋茶屋」再開支援 「山木屋茶屋」再開支援
「山木屋茶屋」再開支援

「おたのしみ食堂」~子供と高齢者の交流会~

令和元年12月21日(土)、第1回「おたのしみ食堂」~子どもと高齢者の交流会~を川俣町保健センターにて開催しました。このイベントは、済生会川俣地域ケアセンター、川俣町、川俣町社会福祉協議会が連携し、食を通じて子どもと高齢者が交流する場を提供することで、地域とのつながりの希薄化などによる「社会的孤立」を予防することを目的に企画され、61名(高齢者32名、子ども29名)の方に参加いただきました。「おたのしみ食堂」では健康体操や昔遊び体験、昼食会が催され交流を深めました。

「おたのしみ食堂」~子供と高齢者の交流会~ 「おたのしみ食堂」~子供と高齢者の交流会~ 「おたのしみ食堂」~子供と高齢者の交流会~

※地域包括ケアシステムとは・・・

団塊の世代が75歳以上となる2025年を目途に、高齢者が住み慣れた地域で自分らしい暮らしを人生の最後まで続けることができるよう、「住まい」「医療」「介護」「予防」「生活支援」が切れ目なく一体的に提供される体制のことです。